学会本部による定期研究発表会と発表内容要旨

2016

  • 2016/01
  • 「モンソンに眠る土浦藩留学生国友瀧之助と海軍省派遣留学生たち」
  • 塩崎 智

米国マサチューセッツ州モンソンには、幕末維新期に多くの日本人留学生が学んだ私立アカデミー、モンソン・アカデミーがあった。モンソンの町の墓地には、現地で命を落とした二人の留学生の墓がある。その一つが、土浦藩留学生国友瀧之助の墓だ。

国友に関しては、ほとんど情報が無かったが、ご子孫の福田毅氏から連絡をいただき、情報交換を行った。その結果、国友は海軍省が造船研究のために米国に派遣した留学生6人の一人であることがわかった。一行6人は、一人を除き、ニューヨーク州ブルックリンの私立アカデミー、ブルックリン・ポリテクニーク・インスティチュートで1年間英語を学んだ。その後、国友はモンソンに移動し、モンソン・アカデミーで学ぶ予定だったが、健康を害し病死したと推測される。アナポリスの米国海軍士官学校に入学するつもりだったのだろうか。

米国の新聞記事によると、彼らはブルックリン米国海軍工廠で実地訓練を受ける予定だったが、それが実現したことを証明する資料はない。一体、彼らはどこで誰から何を学んで帰国したのか。大学で学ばない実業留学の興味深い一例として今後も研究を続けたい。

本部例会の発表内容要旨

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